熊本市東区の質屋「質乃蔵(しちのくら)」です。
オリエント(ORIENT )の腕時計、なんだか「恥ずかしい」って思っちゃうあなたへ。ちょっと待ってくださいよ。その気持ち、痛いほどよくわかります。私も若い頃、とあるブランドの時計をつけていて、お客さんの前で妙にソワソワしたことがありましたからね。
モヤモヤ解消!オリエントの腕時計は本当に「恥ずかしい」のか?

インターネットでは、「オリエントの腕時計ってダサい」やら「オリエントの腕時計って恥ずかしい」など口コミがちらほらありますが、それは本当なのか?
「結論」は、オリエントの腕時計はダサくないし、恥ずかしくない!
です。
オリエントの腕時計は「恥ずかしくない」「ダサくない」理由
考えてみれば、質屋を始めて20年以上。そりゃもう、数えきれないほどの時計を見てきました。ロレックス、オメガ、パテック・フィリップ…綺羅びやかな高級時計の山に囲まれていると、正直な話、オリエント(ORIENT )なんて眼中になかった時期もあったんです。
まだ駆け出しの頃、入ってきたばかりのアルバイトの子が、ピカピカのオリエントスターを腕にはめていたのをみて、「あー、若気の至りだねぇ」なんて、心の中で毒づいたこともあります。
ところがね、ある時、お客さんから買い取った古いオリエントの時計をじっくり見て、度肝を抜かれたんです。何気ないシンプルなデザインなのに、針やインデックスの仕上げが妙に丁寧で、光の反射が美しい。裏蓋を開けてムーブメントを見たら、これまたビックリ。まるで工芸品ですよ。その時にふと、「ああ、これは『安物』じゃなくて『良心的な価格のしっかりした時計』なんだな」と、頭をガツンとやられた気がしました。
数字が語る真実!質屋の買取データから見えたオリエントの底力

「とはいえ、結局、オリエントは質屋での評価ってどうなの?」って思いますよね。ごもっともです。正直なところ、ロレックスやパテック・フィリップのような、とんでもないプレミア価格がつくことは稀でしょう。しかし、侮るなかれ。私が過去5年間で取り扱った腕時計のデータを集計してみたんです。
【データ取得方法】
当店の過去5年間の買取・査定記録から、各ブランドの腕時計の買取実績を抽出。
【計算式】
各ブランドの買取総額 ÷ 各ブランドの買取点数 = 1本あたりの平均買取価格 この平均買取価格と、購入時の参考定価を比較し、定価に対する買取価格の割合を算出しました。
【結果】
驚くべきことに、オリエント(ORIENT )の腕時計は、定価に対する買取価格の割合が、あの有名な「セイコー5」とほとんど変わらない、もしくはモデルによっては上回るケースも散見されました。
もちろん、限定モデルや希少なヴィンテージモデルに限った話ではありません。普及価格帯のモデルでも、しっかりとした査定額がつく傾向にあるんです。
これは何を意味するかというと、オリエントの時計が、市場で一定の評価と需要を保っている証拠なんです。もし「恥ずかしい」なんてレッテルを貼られているとしたら、こんな数字は出ませんよ。
あるお客様との出会い
忘れもしません。あれは確か、10年ほど前のある日のこと。小綺麗なスーツに身を包んだ、いかにも仕事のできそうな男性がいらっしゃいました。手には高級時計…と思いきや、腕にはめていたのは、かなり使い込まれたオリエント(ORIENT )のダイバーズウォッチ。ベゼルには傷があり、風防も少し曇っている。
そのお客様は、奥様の誕生日プレゼントに、とある高級ブランドのネックレスを探しに来られたのですが、話が弾むうちに、ふとご自身の時計の話になったんです。「この時計ですか? ええ、もう15年くらい使ってますよ。大学卒業した時に、親が初めて買ってくれた時計でしてね。これで世界中、あちこち行きましたよ。これ以上の時計なんて、僕には必要ないんです」と、ニコニコしながらおっしゃるんです。
その言葉を聞いて、私はハッとしました。ああ、時計の価値って、値段やブランド力だけじゃないんだな、と。その人にとっての「物語」が詰まっている時計こそが、本当に価値のあるものなんだと。
その日以来、私はお客様の時計を見る目が大きく変わりました。
なぜオリエントは「恥ずかしい」と言われるのか?

それでも、「でも、やっぱり周りの目が気になる…」という声もあるでしょう。正直なところ、一部には「オリエント=安価な時計」という、古い時代のイメージが根強く残っているのも事実です。高度経済成長期に普及した、実用的な時計という位置づけが、良くも悪くもブランドイメージとして定着してしまったのかもしれません。
さらに、マーケティング戦略の違いも一因です。ロレックスやオメガのように、莫大な広告費をかけてブランディングを行うのではなく、オリエントはどちらかというと「時計の本質」で勝負してきたブランドなんです。
派手さよりも実用性、堅牢性、そしてコストパフォーマンスを追求する姿勢が、一部の層には「地味」と映ってしまうのかもしれません。でも、それって本当に「恥ずかしい」ことなんでしょうか? むしろ、質実剛健でブレない姿勢は、現代においてこそ評価されるべきではないでしょうかね。
世界が認めるオリエントの実力
面白いことに、海外、特にアジア圏や欧米の一部では、オリエントの評価が非常に高いんです。特に、自動巻きムーブメントの信頼性や、クラシックなデザインは、コレクターの間でも人気が高い。「オリエントスター」なんて、海外の時計フォーラムでは、かなりの高評価を受けているんですよ。「日本の職人技が詰まった、良心的な価格の時計」として、熱い視線が注がれているんです。
考えてみてください。もしあなたが海外でオリエントの時計をつけていたら、「ああ、日本製のいい時計を使ってるね!」なんて言われることだってあるんです。日本の私たちが、自国の素晴らしい製品の価値に気づいていないなんて、もったいない話だと思いませんか?
オリエントの時計は、あなたの「物語」を紡ぐ最高の相棒
「恥ずかしい」なんて感情は、どこから来るのでしょうか。多くの場合、それは他人の評価を気にしすぎることや、表面的な情報に惑わされることから生まれるものです。でも、本当の価値って、もっと奥深いところにあるはず。
オリエントの時計は、決して派手ではありません。しかし、そこには日本の職人の技術と情熱、そして時計作りの真摯な精神が宿っています。それは、あなたの腕元で、静かに、そして力強く時を刻み続けるでしょう。流行に左右されず、あなた自身のスタイルを貫く。そんな大人な魅力こそが、オリエントの時計にはあると私は確信しています。
どうか、他人の評価に惑わされず、あなたが心から「良い」と思える時計を選んでください。そして、その時計とともに、あなただけの素晴らしい「物語」を紡いでいってくださいね。あなたの腕には、きっと輝かしい未来が待っていますよ。
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